NHKスペシャル「サイボーグ技術が人類を変える」を見た。
人間の脳を直接電気的に刺激し情報を送り込むことで聴覚、視覚の障害を再生するという技術がある程度達成されている。また脳からの情報を読み取ることで腕や足などの代替機器を動かすこともできるようになってきている。(脳に直接ジャック・インしてる画がサイバー。)
といった話だけでも結構すごい状況だなという感じなんだけど、こうした脳のある部位がつかさどっている機能が詳細に特定されることで、またインプット・アウトプットの情報の流れをコンピュータ制御する技術が向上することで、パーキンソン病みたいな脳が原因の運動障害が解消されたり、それどころか鬱病といった精神疾患の改善すら実現しつつあるのだ。これってグレッグ・イーガンの「しあわせの理由」の世界じゃないか!(その分野の第一人者の脳神経外科医は「この技術の是非を問うのは哲学の問題だ」と語っていた。)
番組の最後あたりでは、脳が感じる快・不快の情報を、脳に直接差し込んだ電極によってコントロールすることでマウスを迷路抜けさせる実験が紹介されていた。ということは、軍事目的に利用することで超兵士の開発も可能なのでは・・・
という感じの終わり方。「科学技術発展の方向性に警鐘を鳴らす」的に、番組としては分かりやすいからそういう構成にしたのだと思うんだけど、DARPAっていう(「高等研究計画局」の略)米国防総省の研究・開発部門のコンベンションでは、「この技術を利用することで軍事上相当な効果が期待できます」と科学者がものっすごくにこやかに発表してた。またその科学者っていうのが美人女性科学者で、しかもB級SFアクションに出てくる女優さんみたいな(若干安い)ルックスなもんだからなんか映画のワンシーンをみてるような気になってきて。
日本から見たらちょっと冗談みたいなそういう話も、本当に冗談みたいな規模の予算をかけて本気でやるからアメリカは怖ええなあ。