僕は決して武闘派ではないのだけど、この作品に関してはコロニアリズムというかエキゾ趣味的な感覚が引っ掛かって最後まで素直に楽しめませんでした。旅の途中で遭遇する「ある事件」も、だから結末に向けてフラグを立てておくべきイベント(というかエクスキューズ?)みたいに見えて何だか興ざめだった。ネットの感想をちょっと見てみてもあまりそういう意見はなかったので、過敏なのかもしれないけれど。
これは「生活に追われてるわけじゃない奴らの甘ったれた弱音など!」ということではもちろんなくて、「高等遊民の悲喜交々の話」はむしろ好物のジャンルなんですけどね。今までの監督作品は積極的に好きだったんだけどなあ(一番好きだったのは『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』)。
☆☆☆