もっとロマンティックなものを想像してたんだけど、意外とシビアだった。というか、フェロモン系ダメ男に恋する破滅型の女の子の話は今も昔も変わらないし、洋の東西も関係ないんですなあ。
語り手はそんな女の子に恋してしまった少年(現在は大人という視点)なのですが、女の子の相手が父親というのがトラウマ級。これは作者の実体験に基づくもので、生涯独身を通したのだとか。思春期の少年らしく、主人公はヒロインのコケティッシュさの裏に隠れたイノセンスを気高いものだと謳いあげるのだけど、僕には全然安い女にしか感じられなくて、その溝が最後まで埋まらなかったよ・・・しかし名作と呼ばれる作品も、知ってるつもりで実際読んでみるとイメージとまったく違うということはよくありますね。
☆☆1/2