ターミナル・リスト

 超面白かったです。フークワプロデュースだけど、『イコライザー2』を原液で希釈せずに8倍したような話だった。やっぱり継続に色気をださずにシリーズで完結するつくりがいいですよね。信頼できない語り手を模した導入部分も良かった。

 テーマの部分ですが、もちろんメインは復讐譚なんだけど、結局アメリカにおける兵士とは?ということなんですよね。大義があるんだかないんだかという作戦でも、上層部から命じられたら「お国のため」と飲み込んで命を無条件で投げ出さなければならない。自身の道義とか倫理に基づいて判断することは求められていない。(劇中強調されるように)それでもなお戦うことを曲がりなりにも続けられる理由は、「隣にいる仲間のため」だけ。だからこそ軍の上官(と彼)の裏切りは絶対に許せなかったのだと思います。

 こういう軍もの(警察もの)で「お前だってこんな命がけの仕事の見返りが安い給料だなんて許せないだろ?」というセリフを吐く登場人物は決まって裏切り者でみじめに死んでいくのがお約束ですが、そういう観点からすると『ザ・ロック』のハメル准将がもし主人公だったら?という物語だったような気もします。

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