第九軍団のワシ(ケヴィン・マクドナルド)

 予算がなかった『レヴェナント』という感じでした。(こちらが製作は先ですが。)

 ローマ人マーカスとブリトンエスカは征服者と被征服者の関係だが、その対立を越えて友情を結べるのか?というのが眼目だと思うのだけど、そのためエスカが「私の土地はあなたたちに奪われた。家族はあなたたちの軍に殺された。我々には我々の文化があった」というセリフがあり、それに主人公マーカスがハッとさせられる、というシーンがあるのだけれど、この映画では最終的には、自分の息子を手に掛けるような蛮族許すまじ!やっちまえ!(だって最後にひとアクションないと盛り上がらないし…)という展開になってしまって、ムムム、それでいいんだっけ?となってしまいました。

 実は同名の児童文学が原作としてあって、そちらの結末はもう少しリアルで苦いけれど希望もある、という内容のようです。娯楽作品だからという要請もわかるものの、原作どおりの方が良かったのでは?と思いました。(役者さんたちは頑張ってた。)

☆☆☆