観客に咀嚼力を求めるタイプの映画。でも最近の説明過多なつくりと比較すると好ましい印象でした。
過去の贖罪として行方不明者捜索人を続ける主人公、しかし(皮肉にも)幼少期から自らを苛む暴力によってしかそれを達成することができない。そういうギリギリと主人公を蝕んでいくストレスがそのまま映像化されたような作品でした。それでも最後にささやかな救いが提示されるのが良かったです。
☆☆☆1/2
※1カンヌで男優賞と脚本賞だったとのこと。なるほど納得。
※2正直、母親との関係が『ジョーカー』とかぶってるな、と思ってしまったのだけど、かぶってるでいうと、最近ホアキン・フェニックスがダニエル・デイ=ルイスに見えてしまう。今回は音楽がジョニー・グリーンウッドだったから余計そう感じたのかもしれない。