Survive Style 5+(関口現)

 CM畑の監督の悪いところばかりが目に付いてしまった。

 普段の演出の呼吸のせいか、広告系の監督は(市川準を除く)とにかく短い時間に極端な情報量を詰め込みすぎる。時間に貧乏性。あとこの作品は色彩設計とプロダクションデザインがCM向きというか、インパクト勝負の方向性だったので長時間観るのは苦痛。

 同じく広告系の監督、石井克人も初監督の「鮫肌男と桃尻女」では似たような絵作りだったが、語る内容に対して必然性があったので違和感はなかった(そういえば役者、その他もろもろ被ってる要素が多い)。語りたい内容とそれを表現するに相応しい方法をちゃんと煮詰めて作ってほしいと思う。このままのビジュアルで行きたいならショートフィルムでよかったのに。長時間でかつ画にこだわりたいならウェス・アンダーソンの繊細さを勉強してからにしてほしい。なんか映画的なことがやってみたいと見切り発車してしまった印象だけが残った。

 ☆☆