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セレニティー(ジョス・ウェドン)

 低予算の限界が端々に見られつつも、その心意気で傑作足りえている映画というのが大好物なもので(『ピッチブラック』とか)、この作品もお気に入りになりました。
 冒頭のケレン味あふれるマトリョーシカ構造も導入としてはなかなか見せる。クンフー使いの戦闘美少女とか、宇宙規模のハッカーとか、主人公が迷った時に助言をくれる脛に傷持つ牧師とか、理性を失った食人バーバリアン軍団とか、まあありきたりな設定といえばそうなんだけど、逆に言えば、こういう「ジャンル映画ファンに向けて作ってるんだよ!」というタイプの作品だったらぜひ登場してほしい要素というのは余さず確実に押さえていたという印象で、そこも高評価したい。
 というか、実はこの作品は「ファイヤーフライ」というTVのSFシリーズの映画化だったんですね。(特典映像で、そういえばそのタイトル聞いたことあったな、とようやく思い出しました。)なんでも打ち切られた企画の雪辱戦だったのだとか。そう知ってから内容を顧みると、各人物のバックグラウンド描写が駆け足なことなど、なるほど納得する点も多い。しかしただのファン向けアイテムに留まらない、単独の作品として水準以上の魅力がある映画だと思います。もともと監督の名を知ったのは(シリーズでも特に大好きな)『エイリアン4』の脚本家としてだったのだけど、「訳ありのならず者集団のチームプレーと心意気」という物語の骨組みなどに、あの作品の要素が踏襲されているところも多いので、(『アベンジャーズ』の予習ならずとも)ファンの方には躊躇なくお薦めしたいと思います。
☆☆☆1/2(「エイリアン4」ファンだったら4点)
※ところで「政府のウェットワークに従事しているエージェント」という敵役にキウェテル・イジョフォーというキャスティング。彼の出ている映画に外れなし!というのはみなさんご存じのとおり。という訳でぜひ!(まあ『2012』なんかもあるけど・・・)