その女アレックス(ピエール・ルメートル)

 ヴェルーヴェンのチームのでこぼこぶりがペナックの登場人物みたいだな、と思って読んでいたら話が『グルーム』みたいに重くて陰惨な感じになってきて…と思ったら訳者あとがきに正に引用されていたから、みんなやっぱり考えることは同じなんだなと思いました。

 作者は映像をまず思い描いてそれを書いている、と執筆スタイルを語っているそうだけど、カミーユは完全にマチュー・アマルリックのイメージで書いている気がするな。

 ところで意外性が喧伝されていた印象の作品だけど、内容に関していうと、ミスリードが過ぎるところもあるし、ジャンル的には見慣れた要素でもあるということで、こういう組み合わせがあったのか、という構成の妙を楽しむ作品なのかなと思いました。

 アルマンは(個人的には)マーク・ライランスかなと思ったのだけど、ルイはだれかな…

☆☆☆1/2