万引き家族(是枝裕和)

 パルムドールに相応しい力作だったけど、『楢山節考』しかり、受賞はやはりある種のエキゾチシズムに依拠してる気もして、是枝作品だったら別の映画に授賞してほしかった。

 ケイト・ブランシェットが絶賛した安藤サクラはもちろん上手いというか凄まじかったのだけど、役者陣が皆素晴らしかった。かつ演技レイヤーが違うのに作品として違和感なく成立してるのもすごい。

 残念だったのは、物語の構造上仕方ないのだけど、取調べがあまりにも絵解きすぎる感じになってしまうところ。それはさておいても心揺さぶられる作品でした。

☆☆☆☆

※りんちゃんがキム・セロンかと思った(役柄のせいもあるけど)とか、リリーさんと樹木希林の組み合わせが東京タワーっぽいとか、パルムドールが期せずして緒形親子とか。意図せざる関係性が面白かったですね。