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シャッターアイランド(マーティン・スコセッシ)

 「この映画の結末は誰にも話さないでください」というオープニングの煽り文もそうだけど、大仰な音楽、赤々と流される血、ケレン味たっぷりのライトなど、ふた昔前の東宝東和イズム溢れる作品でした(大袈裟にいうと)。ある種ネタバレしますのでこれからご覧になる方はご注意ください。

 みなさんの感想にあるように、ネタの底は結構早い時点で割れると思います。ただ、『アイデンティティー』的な話とみせて、実際に観た後の感触は『1408号室』に近いテイストでした。ひとつにはご存知のとおり、(フィルモグラフィーにも明らかですが)スコセッシ作品には「贖罪」が通奏低音としてあるからかもしれません。ただ今回に関していえば、そのテーマについてはあまり神経質にならずに「あるべき作品の要素」として受け止めた方がいいのかなという気もしました。
 ところで「驚愕の結末作品ランキング2位」とまで宣伝するのはやっぱりあおりすぎでは・・・もうちょっと素の状態で犯罪サスペンスとして楽しみたかった。けれども、ディックばりの「現実崩壊もの」としての側面は、脇を固める役者が達者なこともあって相当楽しめました。オチや展開は分かっていてもやはり手堅い演出で惹きつけられてしまうのは流石。(あの断崖を降りていくところからの一連のシーンは辛抱たまらん感じでした。)
☆☆☆1/2