真実は内面に宿る、という話では意外となくて、もちろん外形こそが内面に影響するという話でも当然なくて、要するにファレリー兄弟の初期作品みたいなテーマではないし、クローネンバーグ的でもない、という全然別のところに着地しました。物語を見ていくと、一見理解がありそうだったヒロインは結構ねじれてて嫌な人物だし、主人公のドッペルゲンガーたるオズワルドだって、確かにカリスマ性のあるポジティブな人物ではあるものの、デリカシーには欠けている、というように「絵に描いたような分かりやすく飲み込みやすい人物」というキャラクターは一人もいなくて、なかなか一筋縄ではいかないドラマになっていましたね。
つまるところ、この作品は安部公房的だな、というのが僕の感想です。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない曰く言い難い微妙な結末がその印象を強めたのかもしれません。
正直に言えば、革新的な治療で肉体が変容する、しかも住居はよく分からない隣人や不具合のせいで大きなストレスになっている、という前半のクローネンバーグ的な不条理ホラーのところが一番面白かったかな。
☆☆☆1/2