クレイヴン・ザ・ハンター(J・C・チャンダー)

 「超」大作ではないほどほどの大作として、毎回ほどほどの満足感を味わわせてくれることで毎度お馴染みのスパイダーマン・ユニバースですが、今回はかなり面白かったですね。監督がよかったんじゃないかな。

 身体一つでなんでも突破してやるぜ、という冒頭の要塞のような監獄潜入からの暗殺が痺れたし、街中をターザンよろしくもりもり走り、ヘリコプターをあわや撃墜か、という展開も格好良かった。CGは今時の水準からしたら微妙だったけれど、どういう風に見てもらいたいかが肝心だから気にならなかったですね。

 ところで少女時代のカリプソがびっくりするくらい魅力的で、実は主人公兄弟も少年期がいい感じだったから、むしろあのあたりをずっと見ていたかった気もします。妾の子と周囲から蔑まれても、母親と兄だけは分け隔てなく弟を愛していたのに、屈託と屈折を抱えた結果、悲劇に着地する、というのはひとつの典型ですが、言葉を徒に費やさない慎ましやかな演出で作品の質を上げていたように思いました。

 そういえばアーロン・テイラー=ジョンソンはすっかりマッチョ役が板についた感じだけど、『キックアス』ではそういうのに憧れるヘナチョコ青年だったのだから感慨深いですね。総じて面白かったです。

☆☆☆☆