M3GAN/ミーガン(ジェラルド・ジョンストン)

 評判は聞いていたのですが、「とはいえ古くからあるホラーの定型の「恐るべき子ども」のアップデート版でしょ?」という侮りがどこかにあって、今頃見たのですが、よくできてる!すみませんなるほど高評価も納得でした。

 冒頭の、子どものためのスキーなのに、疲れて諍いを起こす両親の「わかるなあ」というやりとりの絶妙さ。その繊細な手つきに、まず居住まいを正しました。その後も、主人公のエンジニアの「仕事が佳境で姪の孤独に正面から向き合えない」という、それってどうなの?とは思うが、実際としてはその気持ちは分かるというシチュエーション設定の巧みさ、身一つで放り出された少女がその孤独からAIロボットへの依存を深めていく過程、またホラーの主体であるアンドロイド少女にしても「そうするように指示されたから」という象られし者の哀しさがきちんと描かれていて、ボタンの掛け違いが悲劇を加速する、説得力のある筋運びで脚本がとてもよくできていました。加えて、いらいらさせられる「犠牲者」に対してついにミーガンが怒りを爆発させるところは、正直カタルシスがありますよね。

 物語自体は、終始まあそうなるよな、というスタンダードな展開ではあるものの、ディテールを豊かにすることで期待以上の作品になるということを改めて教えてくれた作品でした。面白かったです。

☆☆☆☆

※伏線も張ってあったから当然のあの結末なんだけど、むしろ収まるべきところにスパッと収まった感じの切れのよさがすごく心地よかったです。