『サッカー観戦バイブル』と並行して読んでいたのですが、こちらの本は図解などがないトークセッションなので、こちらだけだと素人にはポジションなどのイメージが難しかったと思うので、補完されてちょうどよかったです。対象とする時期的にも結構重なっていたかな。
要はモダンサッカーでは静的なポジション名、陣形はあまり意味がなくて、せいぜい初期配置であり、選手たちに求められているのは、監督の戦略理念に則っていかに創造的にゲームに関わっていくかである、ということだと理解しました。ゴールキーパーやディフェンダーを起点とするビルドアップが攻撃のセオリーとなり、一方で防御は敵陣でのハイプレスが基本戦術となっていることからも、センターフォワードが最初の防衛ラインとなる、つまり選手としては従来のディフェンス、オフェンスの役割を果たすだけでは不十分であって、両者を場合に応じて切り替える柔軟性とゲームを通じた集中力が求められている。それにはゲームの展開を予測する戦術眼が必要になるということでもあるのですが…
いきなり3作目から読み始めたこのシリーズ、このような観点から選手を評価した場合に、MF、CB、GK、CFのポジションで名選手と呼べるのは?というのが今作でのポイントだったようです。レナート・バルディはセリエAやイタリア代表での分析担当を務めている人なのですが、ボローニャ時代の冨安健洋をサポートしていて、この本でも非常に高く評価しています(CBの項で取り上げているほど)。何年か後にはトップリーグから声がかかるのでは?という正にこの本が出版された翌年にアーセナルが獲得する訳ですが、故障続きで今年契約解除となってしまったのはたいへん残念でした。時代の変遷を感じますね。
☆☆☆1/2