ハンテッド狩られる夜(フランク・カルフン)

 『P2』の監督だったんですね。若い女性が追い詰められるワンシチュエーション・サスペンスということでほぼ同じ話ではあるのですが、今作の特徴はイデオロギーの衝突がテーマとして前景化していることと、主人公の造形が必ずしも観客の共感を得られないものになっているところでしょうか。オリジナル作品であるスペイン映画の方は不条理ホラーの色合いが強かったそうなので、あえての方向性なのは明らかですね。(そういう意味では風刺(おもしろ)の足りない裏『ザ・ハント』という印象もありました。)

 そこで、あのような結末に辿り着くという点で、このような混迷を極める現状においても本当に尊重すべきなのは、結局「人間の信義」ではないか?という作り手の主張を感じました。

☆☆☆