ソウルの春(キム・ソンス)

 こういう現代史(普通だったらちょっと避けたくなるような)を精緻かつ豪胆に映画化できるのが韓国映画の力だなと本当に思いました。しかもプロダクションデザインがすごすぎる!

 「こんな形で政権を奪われて、それで終わりじゃなくて、結果起こったことがあれだからな!忘れるな!」という直接的なメッセージもすごい。娯楽作品としてやり切る膂力にも感心しました。

 ところでこの作品を見ている間に感じる「面白さ」ってなんだろう?とつらつら考えていたのですが、軍隊の描写から照らし出される、一旦走り出したら止まらない「組織」というものが本質的に持っている恐ろしさがよく描かれていたこと(離反しようとする勢力に対して、双方の綱引きのほんとうに微妙な駆け引きがまたね)。加えて、気高さ、醜さ含めて、人物に関する演出が素晴らしかったところかな。

☆☆☆1/2