今回は受け入れやすい方の監督作品だったので一安心でした。隠喩みたいなまどろっこしいことなしで「悪いことは悪いと言わなければ!」というテーマを正面切ってやりきっていてすごくよかったです。しかしこれだけ大規模な作品でこの問題を中核に据えた話をするのって、フットワーク軽いなと(昨日に引き続き)驚きました。脚本どうやったんだろう?開巻から何故だかずっと涙しながら観ていたのですが、特に最後の「人が正しく生きるとは?」のケントの(とあえて書くけど)セリフは心動かされる名場面だったと思います。
話はリーヴ版の1と2を足したような作品で、なるほど上手いことやったなという印象。ただ超人同士のドラゴンボール的殴り合いは大味になってしまうので(そこが一連のスナイダー版の特に好きじゃないところなので)、そうではない戦いの提示をしてほしかったのが正直なところ。ヨンドゥの矢の拡張版みたいなアクションシーンはちょっと面白かったけど、もういいかなとも思ってしまったので、観客って贅沢なものですね。
ところで、コレンスウェットがキャスティングできた時点で成功は約束されたのでは、という気がするくらいはまっていました。『パール』の時は得体のしれない実のないハンサムという感じだったのに役者さんってすごいな(という小並感)。常にうるんでいるような青い瞳が時々小学生のようなイノセンスを湛えていて、スーパーマンがここに!と思いました。
あとレックス・ルーサーの造形が、これまでの歴代キャラも相当だったけど、今回は特に輪をかけてひどい奴だったので倒しがいがありましたね。SNSにかじりついているような奴はサルだ、というのをまんま画でやっているシーンは映画館だったけど超笑ってしまいました。それはそれとして、最後捕縛されたルーサーを護送する兵士が「ハゲはベルグレイブ行きだ」とかって言うじゃないですか?あれがアブグレイブのことならちょっとな…と引っかかりました。好意的に解釈すれば「国家権力とはそれくらい危うい(極端から極端へいくような)存在なんだ」という皮肉かなと思いますが、監督は割とそういう所あぶなっかしいから…
ともあれとても面白かったです。子どもたちも大満足で、いやー面白かったな…と映画館を出てからも噛みしめていました。お薦めです。
☆☆☆☆1/2
※まあ、サルだっていうか、サルごときに踊らされているんだ、ということなんだけど。