プロフェッショナル(ロバート・ロレンツ)

 いやー100点の映画でした。必要以上に大きく見せようとしていないのが好感が持てるし、尺もちょうどいい。脛に傷持つ主人公が、辺鄙な宿場町でせめて罪滅ぼしをと立ち上がる、という道具立てとしては西部劇なんだけど、IRAを絡めて世界の果てのようなアイルランドの町を舞台にしようという発想が正に慧眼。

 まず荒寥としていて何人も寄せ付けないような風景が素晴らしい。それを切り取る撮影がいいということだと思いました。冷徹に生きるはずだった主人公が、せめて人間らしく、というそれ自体は些細な親切心を起こした結果、みるみるうちにこれまでの因果に囚われて、という脚本が実に巧み。周到に配置された人間関係の織りなす綾が主人公の手足を縛ります。また、一見唾棄すべき軽薄な後継者と思われた人物が思わぬ人間味を見せて、最後には応援したくなるという展開も見事。

 キャストが全員アイルランド出身者というのも(このような物語だから当然そうあるべきとは思うものの)誠実だなと感じました。それでいて、監督はずっとイーストウッドを支えてきたアメリカ出身の人というのが、なるほどやっぱりなと思いつつも面白かったですね。

☆☆☆☆