ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(クリストファー・マッカリー)

 面白かったけど、傑作とはいかなかったかな、というのが正直な感想です。せっかく『ローグ・ネイション』で拡大再生産から逃れかけたのに、結局そこからアクションの大艦巨砲主義に戻ってしまったのは残念だったな、という思いを新たにしました(これで最後だけど)。

 ところで、007の『スペクター』みたいに「すべては因果のもとに」という1作目からの要素の回収を図っていたけれど、そこまでする必要があったのかな?その割にあんなに活躍したイルサが全く言及されないのはバランスを欠いてるし、何か事情があったんだろうなと感じさせるのも微妙な点。(あんな退場ないだろ…実はどこかで帰ってくると思ってた。理由についてはレベッカ・ファーガソンのインタビューが公開されていたけれど。)

 あと、キーアイテムを巡る争奪戦については、二転三転がすぎて結局何がしたかったんだっけ?となりました。まあマクガフィンについて真剣に考えることほど徒労なものはないんだけど、その割に(2回目)、(明らかにマクガフィンだった)3作目のラビットフットが実は…みたいな話をここにきて始めたりするから、なんのこっちゃ感があったなあ。

 一応良かった点も。

・AIの暴走ということになっていたけれど、実際のところ国家間、イデオロギー間の衝突と、それを加速させるネット環境への危惧がテーマになっていて、ありがちとはいえ真剣さを感じて僕は好きでした。

・潜水艦からの脱出アクションはプロダクションデザインの巧みさも相まってスリリングで良かったです。カーチェイスやガンアクションはやり尽くしたからだと思いますが、こういうジリジリした展開は新しかったですね。

・イーサンに迫る刺客、座標を巡るロシア工作員とメンバーとの格闘を並走して描くカットバックは、編集が巧みでサスペンスを盛り上げつつアクションのテンポも良くて上手だなと感心したのですが、その後も同じようなことを繰り返すのでちょっとくどいかな、と思いました。(あ、文句になっちゃった。)

 ともあれ、よくできたアクション大作なのは間違いありません。1作目からリアルタイムで追いかけてきた観客としては感慨深いのも確かです。お疲れさまでした。

☆☆☆1/2