ゾンビランド:ダブルタップ(ルーベン・フライシャー)

 ジャンル映画かくあるべし、という作品だったと思います。10年ぶりだから、とかキャストがブレイクしたから、とか気負ったところもなく、逆になぜこの企画が成立したのか不思議になるくらい、何も足さない、何も引かないつくりでした。結果として99分というランタイムも好ましい。高邁なテーマ、奥行きのある人間ドラマなど、そういうことに足を取られすぎている昨今の娯楽作品へのアンチテーゼのようにすら感じる清々しさでした。

 話はストレートなポストアポカリプス・ゾンビもので、前作どおり、のはずなんだけど、何となく『アドベンチャーランドへようこそ』と『ゾンビーワールドへようこそ』と僕の中で細部がごっちゃになっている気もするな…ともあれ、ずば抜けてセリフのやり取りがスムーズで気が利いていて、かつそこから発話者の人となりが立ち上がってきて、なんてよくできた脚本なんだ!と久しぶりに思いました。

 別に傑出した名作じゃなくていいから、こういうよくできた作品を時々見たいですよね。

☆☆☆1/2

※新キャラであるマディソンの「悪い人ではないけど突出して間が悪い感じ」がこれまた光っていて、ゾーイ・ドゥイッチのスムーズとしかいいようのない「悪気がない感じ」の演技が素晴らしかったです。