訳者後記によると「天庭の神仙は皆社畜」というのが原語(中国)版での惹句だったらしいのですが、本当に「世知辛いね…」という話で生々しすぎてあまり楽しめませんでした。ちなみに社畜という日本語は文字通りの意味で、あちらでも使われるようになっているそうです。
さて物語は、西遊記の舞台裏として、主人公の仙人が大きな組織の内部調整と企業間の折衝と書類仕事に追われる話なのだけど、完全に日本と通じるところがあって、中国だからってかけ離れている訳でもないんだなというのがちょっと意外でした。
☆☆☆1/2
※もっと細かい話をすると、水村美苗の『続明暗』のように、物語に示されている要素から欠落している部分を再構築するつくりなのだけど、辻褄の合わせ方がすごかったと思います。