僕の世代だと、『ツイスター』はあまりにも大規模化した映画製作費の捻出のために、まさかのワーナー、ユニバーサルの相乗り製作ということが話題になったのを覚えていると思います。なんでまたこれだけ間が空いての復活企画が?とも思うけれど、直球で作るのが難しくなったラブコメディに軸足を移して、という発想の転換は慧眼だったかなと思いました。
クレジットを見て気づいたのですが、原案としてジョセフ・コジンスキーが関わっているんですね。災害をモチーフにした人間ドラマの手堅さ、群像劇の的確さという点で、『オンリー・ザ・ブレイブ』→『トップガン:マーベリック』の系譜を感じて、なるほど納得でした。グレン・パウエルの抜擢もその流れかなと思ったり。
という訳で、まあ率直に言って映画の半分(いや7割くらい?)はグレン・パウエル力で持たせていたといっても過言ではないというか。躍進著しいですよね。僕も『トップガン』で知ったのだけど、一番輝いていたからなあ…(最初若手チームの中の主人公だと勘違いしたくらい)。ちょっとローラ・ダーンの雰囲気もあるデイジー・エドガー=ジョーンズもよかった。よかったけど、冒頭、(誰が主人公か判別できなかった時は)眼鏡がキュートなキーナン・シプカがヒロインだと思って、なるほどなと勝手に納得していたくらいだったのですが。ところで、最後辺りのヒロインの衣装とか佇まいが宮崎駿っぽいと思ったのだけど、どうか?(どうか?と言われてもね。)そう思って聞いていると音楽も久石譲っぽいような?
ただ、世評が著しく高いのだけど、私としては丁寧に作られた娯楽作といった印象でした。面白かったのは間違いないけれど。
☆☆☆1/2