久しぶりに見てみました。役者陣は上手だし、当時ひとしきり出そろった「サイコキラーもの」の要素は押さえているので、娯楽作としては手堅く面白かったです。というのは前回見た時と同じ感想なのですが。あとこの頃なぜかやけにエミリー・ワトソン出てたよなという思い出。この映画は撮り方として特異な顔相を強調している作品でもありますね。
元祖レッド・ドラゴンの『刑事グラハム/凍りついた欲望』も見ているのだけど、薄れかけた記憶では、犯人に感情移入しすぎるグレアムの危うさが面白いなというくらいで、マイケル・マンの最高傑作というのは微妙かな…という印象でした。
さて今作に関して言うと、結末の一捻りについて(予測できちゃうけれど)、そのサービス精神やよし!と肯定的に捉えるかどうかで印象が変わるのかな、という点と、エドワード・ノートンがダラハイドの祖母の真似をするところが「あー、やっぱり演技上手アピール※をやらずにはいられなかったか…」と可愛げと受け止められるかどうかで、評価が変わるような気がしますね。
☆☆☆1/2
※ノートンの演技が上手なのはむしろ静的な場面であって、あれは余計だな、だいたいそれって「演技が」上手と言えるのかな、という気持ちになる例のあれです。(ex.『真実の行方』、『スコア』、『マザーレス・ブルックリン』等)