持続可能な魂の利用(松田青子)

 この小説で定義される「おじさん」のおぞましさは全くその通りだと思うのだけど(私もいつも気持ち悪いと思っている。本当に。)、対置されるアイドルグループのセンター某が、控えめに言っても下駄を履かされすぎだし持ち上げすぎなので、非常にしらけました。作中でもアンビバレントな心情に言及されるけれど、おじさんの権化たるプロデューサーによるグループなんだから完全にコスプレとしての「革命」だと思うんですよね。端的に言ってチョロすぎる。あと小説としてはとても読めない完成度なので、あまり真に受けても仕方ないのかもしれない。

☆☆1/2