放生会(椎名林檎)

 放生会(ほうじょうや)って一般名詞なの?と思ったらやっぱり一義的には筥崎宮のお祭りを意図していたみたい。最近活躍中の女性アーティストを招聘しての楽曲がフィーチャーされているアルバムですね。

 デビューして25年以上、明らかに林檎チルドレン的な印象を受ける女性ボーカルは多いけど、馴染みが良さそうな人たちをピックアップしている印象でした。

 「初KO勝ち」はperfumeののっちなんだけど、フィルターがかかってない彼女の声はこんな感じなんだというのが新鮮で、なるほどこれなら椎名林檎とも相性がいいなと思いました。ちょっとロッキー5っぽい歌詞とMVも面白かった。広島弁と博多弁の競演もよかったです。

 「ドラ1独走」は新しい学校のリーダーズを招聘しているのだけど、こちらも当然好相性。昭和歌謡的ニュアンスを血肉にしてるところが頼もしい。

 「余裕の凱旋」はDaokoだけど、歌唱というよりカメレオン的なところがむしろ椎名林檎的ですよね。岡村靖幸との「ステップアップLOVE」なんかは椎名林檎が憑依しているのかと思ったものだけど。ところでこのアルバムじゃなくてリミックスアルバムである『百薬の長』で岡村がアレンジを手掛けた「長く短い祭」がすごく良くて、それこそ「ステップアップ~」みたいな岡村節全開もいいんだけど、アレンジャーに徹しているときの仕事も素晴らしいと思います。

☆☆☆1/2