世界の広がりを感じさせるところとか最後の敵に立ち向かう奇策とか(ここは誰もが指摘するところだと思うけどとてもライミらしい)、大作にふさわしい構えと工夫された脚本で素晴らしかった。
個人的にはいかにも児童といった他愛もないアピールをしてくる兄弟の言動がいちいち愛らしくて(本物の在り様をよく研究していたと思います)、子ども達にまた会いたいというワンダの気持ちも分かるのだけど、その手段としてよその家族を乗っ取っても(自分含め)誰も幸せにならないのは自明だと思うので、その点では脚本に再考の余地ありかなと思いました※1。
でもマルチバースは今回で終わりでいいですね。なかったことにします!と言われたらさらっと飲み込むけど。というか当事者もおそらく予測できなかった規模でヒーロー映画が「産業」になってしまったので、引くに引けなくなったという状況なんでしょうね。
☆☆☆☆
※1 スパイダーバースもその点が不満なのです。
※2 ところで毎回書くけどベネディクト・ウォンって本当にいい役者さんですね。
※3 これもサム・ライミらしさというのか、冒頭の戦いに顕著だけど、高低差を活かしたアクションの組み立てがすごく上手ですよね。
※3 別の世界で偽物アベンジャーズみたいな存在がでてくるけど、あの人たちって「ザ・ボーイズ」みたいに中途半端でちょっと品がないところさえあるから、本家としての価値を棄損してる印象がありました。やめた方がよかったのでは。