ビッグ・ガン(ドゥッチョ・テッサリ)

 (若干ネタバレ)『サムライ』みたいなストイックなノワールを基本的には意図していたのだと思うけど、(イタリアンジャズ等格好いいけど)バリエーションが豊富すぎる劇伴とか、ジャッロみたいに過激で派手な暗殺シーンのようにサービスしすぎで些か焦点が定まらなくなっていた印象です。ただボーンシリーズを先取りしたかのようなスマートじゃない壁を擦るような乱暴なカーチェイスなどは本当に迫力があってとても面白かった。だから普通に娯楽作としてやり切ってくれたらよかったのだけど、やっぱり70年代のせいなのか、ニューシネマみたいな結末で、そっちの方のサービスは別にいらなかったけど…という気持ちに。※

 それにしてもアラン・ドロンって小さい頃はハンサムな俳優というだけの印象だったけど、大人になってから見たら目が怖いよね。

☆☆☆1/2

※『殺しが静かにやって来る』しかり、なんかイタリア映画って思いもよらぬ方にやりすぎる傾向ありますよね…