オンリー・ザ・ブレイブ(ジョセフ・コジンスキー)

 『トップガン』の続編にコジンスキー監督が、というニュースを知った時、『トロン』とか『オブリビオン』のイメージしかなかったから、そうなんだ…としか思わなかったのだけど、これをみたらすごく納得しました。ほとんど同じ話じゃないか!マーヴェリックばりの「あの顔」で、「やあ、ジョセフ!『オンリー・ザ・ブレイブ』の感じでトップガンを作ってほしいんだ!」とオファーするトム・クルーズの映像が思い浮かぶくらい。(そして慧眼だと思う。)

 だからジェニファー・コネリーマイルズ・テラーの起用も今更改めて納得。この映画のマイルズの「薬物中毒のデクの坊」ぶりも上手だった。こういう演技もできるんだなと感心しました。正直『トップガン:マーヴェリック』の若者サイドの物語は群像劇にするつもりだろう(皆魅力的だし)と思いながら見てたのだけど、先にこの映画を観ていたらグースの息子の話になるというのはすぐ気づいたと思います。

 あともっと言えば、『トップガン』続編への起用は、アメリカの保守層がこういう風に見られたい「グッド・アメリカン・ボーイ」の表象を的確に描いているところも踏まえていると思いました。

 さてこの映画ですが、森林消防士という知らない職業の現場を教えてくれる時点で既にとても面白かったのですが、いろいろな意味で誠実に作っていて素晴らしかったです。

☆☆☆☆

※細かいことだけど、特撮含め、お金の使いどころがよく分かっているのも腕がある監督だなと思いました。