ウルフズ・コール(アントナン・ボードリー)

 冒頭はあまり知ることのないフランスから見た世界情勢が示されていて興味深かったのだけど、いかんせん主人公の造形が共感を拒むような人物でどうして?となってしまい作品評価もちょっと…という印象に。軍法会議ものの逸脱行為もさることながら(ヒーローだからそこは目をつぶって、ということなら割とある設定なのでギリギリ了解できるのだけど)、重要な作戦行動に参加する直前なのに彼女ができた嬉しさで大麻吸うなんてありえないだろう…。

 というように、主人公が第三者的に状況に介入するためとはいえ、『未知への飛行』的サスペンスを成立させるためのお膳立てがずさんすぎる。他の展開で全然構成可能なストーリーだからやはり作り手の脚本のブラッシュアップ不足なんだと思います。

☆☆1/2