ラスト・ボーイスカウト(トニー・スコット)

 話はすっかり忘れてたけど「今度やったら、殺す」とか「片が付いたらジグを踊ってやるぜ」とか「腹話術の人形」とか、ディテールはやけに覚えていました。公開当時はトニー・スコット監督作ということに気が取られてたのですが、改めて見てみると見事なまでにシェーン・ブラック脚本だったですね。

 具体的にいうと、「災難続きで人生に悲観し世間に対して心を閉ざしていた主人公(たち)が、無垢な少年少女の言葉に素直に耳を傾けることで、袋小路の状況に光明を見出し未来を切り開く」という話。自身で監督をするようになってからの作品に顕著だけど、だいたい全て同じ話ですよね(『ザ・プレデター』も!)。

 そういう観点からすると、ハードボイルドらしい気が利いたセリフも多いのですが、トニー・スコットの演出が平板なためいい感じになってないような。(どんなやりとりもカッコつきで「という設定の人物です」みたいに感じる。)むしろ自身での監督作のほうが上手だと思いました。とはいえ、総じて面白かったです。

☆☆☆1/2

※ところで本題ではないのですが、議員のボディーガードをハイウェイで引き留める時に、行き掛けの駄賃みたいにカジュアルに射殺してたけど、あれはよかったのかな?