ジャンル映画という枠組みが要請する以上に人物造形が的確だから何か観ちゃうけど、やっぱり残酷描写が文字通りブルータルというか、トゥーマッチで酷い、というのは相変わらずでしたね。その一方で、信義に忠実な人が生き残るという点である種勧善懲悪的でもあって、後味は言われているほど悪くない気がしました。
こういう話はやむに止まれず抜き差しならない状況に陥る、という展開に説得力がないと途端に白けちゃう(登場人物がどうなろうとどうでもよくなる)ものだけど、タランティーノともまた違う地に足のついたダイアローグが細やかで、演出力の基礎体力があるなと改めて感心しました。
ところで、銀行強盗のテープレコーダーは『鮫肌男と桃尻女』のオマージュじゃないかなぁ。
☆☆☆1/2