22年目の告白 -私が殺人犯です-(入江悠)

 オリジナルが予想外に面白かったのだけど、あちらは監督がスタントマンの経験があったり※というように、また2作目の『悪女』で明らかになったように、誰も見たことがないアクションを見せてみたい、ということが中心軸にあるのであって、テーマとか物語上のツイストは付加要素にすぎなかったんですよね(それがあったからすごく成功したというのは間違いないところだけど)。

 翻ってこのリメイク版ですが、テーマやツイストに重きを置きすぎて、いやそこまで深刻な社会派風を押し出されても…ということになってしまっていたような。オリジナルはサービスの過剰さ、エクストリームさが笑っちゃうくらいのバランスで、いい意味で変な映画だな、というのが良さだったわけだから。でもオリジナルを知らないまま見たら「そうきたか!」と楽しめたのかも。

☆☆☆

※とはいえ、自身が語っているように映画を作りたいという思いがまずありきで、アクションはあくまでその選択肢のひとつだったみたいですね。