ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語(グレタ・ガーウィグ)

 話全然忘れてたことにびっくりしました。映画もアニメも見てたはずなのに…それはさておき、時制の行き来など新しい語り口でスタンダードな物語を語り直す、というのが眼目だったと思うけれど、やっぱりこういう話はオールドスクールな作りでよかったのでは、という気もして。でもそれだとグレタ・ガーウィグが撮る意味ないしなあ。

ローラ・ダーンの良妻賢母ぶりが板についていて、『ブルーベルベット』から随分遠くに来たよなあという感慨が。

・フローレンス・ピューは少女時代はすごくあどけない感じがするのに、渡欧してからは自立した淑女の印象でとても感心しました。

・ベスのエピソードはあまりにやっつけな感じがしなかっただろうか?

・ベア先生の最新型のイケメンぶりがすごかった。今時のハンサムガイってこんな感じでしょ、と言外に言われてる感じ。

メリル・ストリープ演じる伯母が辛辣なことをいうけどチャーミングでさすがだなとしかいいようがなかったですね。『クレイマー、クレイマー』※から随分遠くに来たよなあという感慨が。

 ジョーは原作者の分身なのでどうしても物語の中心になるけれど、監督の想いを仮託された存在でもあるので、テーマを直接的に語りすぎるきらいがありましたね。演出に生硬さがあるので、率直なところ、ちょっとスパイク・ジョーンズに近い「眠さ」を感じました。全体としてはナイストライだったかな。

☆☆☆1/2

※原題はKramer vs. Kramerなんですよね。なんか雰囲気で2回呼びかけてるのかなって小さい頃は思ってたけど。