ちょっと物語にとって都合よすぎる展開が多いのと、用心棒稼業がほとんど描かれないので看板に偽りありではないか。というか杉江松恋氏の解説の方が面白かった。
時代の波にさらされて細部が気にかかり、過去のようにはエンターテインメントが楽しめなくなる、ということは良くも悪くもあるけれど、一方で過去から一貫して面白い作品もある訳で…率直に言って主人公は読者にとって「都合がいい男」すぎる。加えて、何というか登場人物が皆、多様性への配慮的なものへのアリバイづくりで汲々としている印象で、そういうのは後からついてくるものじゃないか?という気がして。(ドストエフスキーを読んでインテリ気取りというのも割と恥ずかしい。お金持ちの時計がロレックスというのもそう。むしろパテックフィリップとかヴァシュロンにすべき。)
面白くなかったわけではないので続編に期待します。
☆☆☆