拳銃は俺のパスポート(野村孝)

 60年代の邦画(特にアクション)を見る楽しみのひとつは、この頃は色々と未整備で乱雑な時代だったんだな、と風景そのものを愛でることです。その点でも満足だったけれど、モノクロのソリッドかつパキッとしたレイアウトが最高でした。

 タイトルはちょっと呑気っぽい雰囲気だけど、実際は寄る辺なき殺し屋稼業の冷えびえとしたハードボイルド。不幸な生い立ちからの出口を探して、生き残りを掛けて殺しあう登場人物たち。ランタイム85分というタイトさも良かったですね。ミニチュアワークも丁寧(むしろ得した気分になります)。

☆☆☆☆