僕の中で3大ミニシアター系映画のひとつだったのだけど(あとの2つは『バグダッド・カフェ』と『ベルリン・天使の詩』)今回初めて見ました。内容は全て知っていたので見たような気になっていたのですが、実際に見てよかったです。
シンプルな話で、これといって事件が起こる訳ではないのだけど、35分目くらいまでのセットアップが最後に至ってパズルのピースが揃うようにバシッと決まる感じがすごかったですね。「自分の才能を発揮する」ということの人間の根源的、本能的な欲求の発露を描いているという点では、『ドラゴン・タトゥーの女』と同じ話ともいえるけど、物語上、その才能を正しく評価できる存在が必要になるところ、それが人生とは何ぞやというテーマと収斂する「将軍」として最後に配置されるのが、上手いなと感心しました。(そして泣けた。)
晩餐が終わった後に、ひとりコーヒーを啜りながら自身の来し方に思いをはせるバベットのハードボイルドな横顔が素晴らしかったですね。
☆☆☆☆(やっぱり見てみないと分からない)
※将軍の食レポがすごい。ヴーヴ・クリコ。