ボヘミアン・ラプソディ(ブライアン・シンガー)

 久しぶりにこんなに入っているのを見たな、というくらい映画館がいっぱいだった。正直、物語そのものはあまり葛藤みたいなものがなくて、割とあっさり風味だったけれど、ヒットしているのはそれ故かもしれないと感じました。バンドメンバー優しすぎるだろ!

 監督と一応クレジットされているブライアン・シンガーは、最終的には放り出してしまったらしいけれど、「ありのままの自分を受け入れてほしい」と希う青年、ということでは本当に一貫してるなと感心。実際、ライブシーンは噂通り圧巻だったけれど、自分が心を打たれたのは「俺はなりたい自分になったんだ」と心情を吐露するその直前のシーンでした。映画の成功の何割かは、主演のラミ・マレックのイノセントな瞳の演技に拠るものだと思います。

 役者陣が素晴らしかった。特に、ライブエイドの場面でブライアン・メイ(グウィリム・リー)が演者側であるにも関わらず、「音楽の恩寵」に打たれたかのように「これを演奏しているのは俺たちなんだぜ?!」という表情を浮かべるシーンが印象的でした。

☆☆☆1/2