銃器考証のリアルさで世の好事家を唸らせたという評判の「低予算」ポリスアクション。特殊部隊出身のはぐれ刑事が、図らずも担当した事件でその軍隊時代の因縁と決着を付けなければいけなくなるという、まあ超定番な物語。けれども、バディものの要素もそつなく押さえているし、ショーン・パトリック・フラナリーが演じる腐れ縁の幼馴染※も味がある。ニューオーリンズという舞台設定も効いていて、つまり全方位的に心得た演出です。
しかし一番グッときたのは主人公の所作でした。銃を扱う手際が本職みたいで無駄がない。しかも銃を使えないと判断して近接戦闘(ナイフ戦)へ移行する際のスムーズさたるや!なんというかシズル感がありましたね。一流スポーツ選手の動作に、その種目に最適化された挙動の機能美を見るような。弾着効果のCG処理の安っぽさには如何ともしがたいものを感じましたが、監督において「目指すビジョン」が明確なら、これだけ面白くなるんだなというお手本のような作品でした。
☆☆☆1/2
※一時期ジェレミー・レナーが一手に引き受けてたような役ですね。