二流小説家(デイヴィッド・ゴードン)

 ジャンル小説を書き飛ばして糊口をしのぐ小説家ハリーは、連続殺人犯の死刑囚に目を付けられて彼の告白本を書くことに。しかしそれは新たな殺人の幕開けに過ぎなかった・・・
 世評喧しい本作ですが、ちょっと期待しすぎたかな・・・手堅い娯楽作としては完璧なんだけど、それ以上を求めると正直物足りませんでした。「The serialist」という原題から、「そういうことだったんだ!」という展開を予想して(語り手がジャンル小説家ということでメタな要素も期待して)、驚く気満々で読んでたんだけど(←間違った読書姿勢)「そういうこと」にはなりません。
 もちろんいかにもジャンル小説的なツイストはあるのだけど、ちょっと強引な印象が否めず(ただ、そこはあえてなんだと思う)。二流小説家の悲哀という点でも踏み込みが浅い感じがしてしまって。
☆☆☆