今作は007製作者への目配せだ、という記事を目にして、それって穿ちすぎな感想なんじゃないの?と思ってたんだけど、すみません本当にそうでした。いうなれば変則エスピオナージュ。※
・J・マカヴォイにM・ファスベンダーにケビン・ベーコンにニコラス・ホルト、と好きな人には堪らないキャストなんだけど、やはり映画がメインターゲットにしている人には訴えなかったのか、ぼちぼちの入りだったのが残念でした。
・個人的には大満足だったという前提で。あえて冷静に指摘すると、「名作にダレ場あり」とよくいわれるように、緩急の「緩」でじっくり見せる部分がやや不足していた印象はあります。逆に言うとエピソードを捌いていく手際の良さが際立っていたということでもありますが。
・アクション面で一番好きだったシーンはアルゼンチンのエピソード(ナチ・ハンター!)だったのだけど、あれってそのままガンバレル・シークエンスに繋いでも全然違和感なかったね。
・衣装デザインがステキだな、という映画はなんだか得した気分というか豊かな気持ちにさせてくれる気がして大変好きなのですが(ex.『ザ・バンク』)、この作品は60年代ファッションが好みど真ん中で実に良かった。
・それでエスピオナージュかつクラシック・ファッションが格好よい映画ということで、『ミュンヘン』を連想したのですが、考えてみると「各所で迫害され行き場所を失った人々が、ようやく見つけた居場所を守るため、復讐心と克己心の間で揺れる」というテーマも通底しているような。そのアンビバレントな思いを端的にキャラクター化したのがエリックとチャールズなんだと思う。
・怒りつつ冷静に、というマグニートーの超能力発動のコツはスーパーサイヤ人3並みにハードルが高いと思ったよ・・・
・えっということはミスティークって結構いい年なんやね・・・2作目でウルヴァリンと何だか微妙な感じになるところが切なくて良かったのだけど・・・・しかし、よくよく考えてみたらウルヴァリンも相当いい歳だったのだった。
・ミヒャエル・ファスベンダーのドイツ語、フランス語がグッとくる。もうずっとそれだけ喋ってたらいいのにと思いました。
・正直「ファースト・ジェネレーション」という邦題もそんなに違和感なかったのですが、結末に至って「ファースト・クラス」という副題が重みを持つ感じで、なるほどそういうことだったか、と。
☆☆☆☆1/2
※この件については、マシュー・ヴォーン自身がプロモーションでガンガン発言してたんですね・・・
※夏のジャケットがめちゃめちゃ欲しくなったので、今は俺自身の克己心が問われている・・・