恋はデジャ・ブ(ハロルド・ライミス)

 ローカル局の天気予報士フィルは上昇志向の強い鼻つまみ者。ウッドチャックが春の訪れを占うというペンシルバニアの小さな町でのお祭りに今年もしぶしぶ出かけることになったが、それは永遠に続く「2月2日」の始まりだった・・・
 知られざる佳作としてよく名前の挙がるこの作品、今回初めて観たのだけど、なるほど納得でした。以下感想メモ。
・永遠に続く2月2日、というのは「日常」のメタファーですね。現状に閉塞感を感じているなら、まず自分が変わらなければならない、という実に(良い意味で)ハリウッド映画らしいストレートなテーマだったと思います。こういう話を衒いなくやれるというのが、やっぱり底力なんだろうな。
・ヒロインの気を惹こうと、主人公が何度も同じシチュエーションでトライ&エラーを繰り返すシーンはギャルゲーのフラグ立てみたい(と、何百人となく思ったに違いない)。「でもそれじゃ駄目なんだよ!」というメッセージとしてはエヴァの旧劇場版の結末より説得力があったような。(最近こればかりで恐縮です・・・)
アンディ・マクダウェルの(個人的な)ベストアクトは『フォー・ウェディング』だったのだけど、それに比肩するチャーミングさでした。
・しかしビル・マーレイは傲岸不遜な人間が半生を反省するという映画がよく似合う。直接的には『3人のゴースト』(「クリスマス・キャロル」の翻案)を連想しました。
・せっかくの良い映画だったのに、実はこの作品に対する見解の相違で監督(コメディ志向だった)とビル・マーレイは袂を分かったそうです。皮肉ですね・・・
☆☆☆1/2