清作の妻(増村保造)

 妾女と蔑まれながらも、母の故郷に帰らざるを得なかったお兼。彼女は村の模範青年との誉れ高い清作といつしか結ばれるが、彼は日露戦争により再招集される。母を失い、「清作」が世界そのものとなっていた彼女は、ある決断をする・・・
 初めての若尾文子ディープサイド。『青空娘』が同じ監督・主演コンビでの作品だったとは俄かには思えないほどの壮絶な話。(考えてみたら『盲獣』の監督でもあるわけで、自分自身ちょっと前までは、むしろ増村作品といえばそういうヘビーなテイストの話を連想していたのだけど。)でも正直、ハキハキ明るい若尾文子がやっぱり好きだなあ・・・
 ところで「女の愛のエゴイズムを 鮮烈なタッチで描く」というのが予告編での惹句になっているのですが、ちゃんと映画観ました?と言いたくなりました。(まあ作った人もそこは分かってて、だったのかもしれないけれど。)
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