欲望(ミケランジェロ・アントニオーニ)

 「ある日突然、世界への違和感に苛まれる主人公。会話をする相手は同じくらいの年頃ばかりだし、極端に自然音が少ないし・・・そうか、俺は自主映画の世界にいるんだ!」という(いかにも大学生が作りそうな)自主映画を映研の先輩が作っていたのを思い出しました。この映画の主人公は「公園で誰かが殺されたのか否か」に悩むよりも、「抗議デモの女学生から骨董屋の店員まで、出てくる女の人がひとり残らずことごとく美人なこと」について不信感を持つべきではないかしらん。
 という無理くりな感想しか書けないほど、やっぱりよく分からなかったです。最初に見たのは学祭の上映会でだったのですが(いやそんなスノッブなサークルではなかったのだけど、今から考えると大学の映研らしいチョイスですよね・・・ちなみに翌年は『太陽を盗んだ男』でした)、改めて観てみたら印象変わるかなと期待したけれど、ううむ。inspired byとクレジットされているコルタサルの原作はもうちょっと分かりやすく現実崩壊話だったと記憶しているのですが・・・カメラマンのコントみたいな冒頭が一番面白かった。
☆☆1/2(ジェーン・バーキンに☆半分)