キレイはキタナイ、キタナイはキレイといった感じの美意識はこの映画でも健在だった。「こんな無茶な画が撮れたらスゲーだろうなぁ」という思い付きをとにかく映像にしてしまう、ということありきの監督なので、話としては破綻しているところもあるのだけど、その豪快さにやられる。でも作品を重ねるごとに映像の仕上がりもこなれてきていて、(自分の特撮工房を構えていることを踏まえて)インタビューでは自らをピーター・ジャクソンになぞらえていたのも、あながち的外れではないと思う。
ところで、いい意味で割り切れない(ある種釈然としない)ストーリーはロシア/東欧圏独特の感覚なんだろうか。内部抗争と粛清っていうのが、ちょっと押井守風なところもありますね。
☆☆☆1/2