なめくじに聞いてみろ(都筑道夫)

 『殺人狂時代』が好きすぎてDVDを購入。すると原作も気になってきたので読んでみました。
 殺人方法考案の天才だった父を持つ青年、桔梗信治。彼は父が通信教育で殺し屋を育成していたことを知り、その負の遺産を清算するために出羽の山中から東京へと赴いた!
 というように、マンガとテレビの「仮面ライダー」ほど違う(あるいはそれくらいには似ている)。当時(1961年)まだ紹介されていなかった007シリーズを意識して書いたそうですが、オシャレでスタイリッシュな忍法帖ものという感じ。正直後出しの強みもあって、映画の方がスマートです。ただ「しょってるわね!」みたいな、この頃の風俗の色濃い会話のやり取りがツボにはまる昭和好きには堪らない、かもしれません。
☆☆☆1/2