カンバセーション・・・盗聴・・・(フランシス・フォード・コッポラ)

 『エネミー・オブ・アメリカ』のジーン・ハックマンの役が、この作品での彼を下敷にしていると知って、ずっと気になってたのをようやく鑑賞。『地獄の黙示録』や『ゴッドファーザー』などの影でコッポラのフィルモグラフィ中ではちょっと地味だけど、さすがにカンヌグランプリ作品だけあって傑作でした。
 倫理を宙吊りにして、内容を詮索せず、完璧な仕事をこなすことだけを身上に生きてきた盗聴のプロ。その自ら定めた仕事上のルール「孤独」がいつしか彼自身を蝕んでいく。観るときのコンディションによってはシンクロして結構くるものがあるかも・・・。主人公の人生を反映しているかのような寒々としたアジトがいい(プロダクション・デザインのディーン・タボラリスのよい仕事)。これも『エネミー〜』で引用されてましたね。
 コッポラのコメンタリーはまたもや「映画製作はつらい」って話。そんな苦しいのか・・・ちなみに楽しくできた仕事は『タッカー』や『レインメーカー』だそうです。
 ところで「全米盗聴業者コンベンション」が開催されてるというのがなんともアメリカらしいというか・・・
☆☆☆☆