アメリカン・ドリームズ(ポール・ウェイツ)

 空爆で母を亡くし、アメリカへの復讐を誓ったイラク人オマール、田舎育ちだがスターに成り上がるためには手段を選ばないサリー。彼らはひょんなことから国民的人気オーディション番組「アメリカン・ドリームズ」のプロデューサーの目に留まり、予選ラウンドを勝ち抜いていく。ところが最終決戦のゲスト審査員として人気回復を目論んだ(無能な)大統領が出席することがわかり、オマールに自爆テロの指令が下される・・・
 同監督の『アバウト・ア・ボーイ』が大好きで、『イン・グッド・カンパニー』も結構楽しめたけれど、今作がビデオスルーだったのはさもありなんというか。「アメリカン・ドリームズ」というのはもちろん「アメリカン・アイドル」のパロディで、それを入り口に世相を切ってやろうというシニカルコメディなんですが、意気込みが上滑りかつ空回り。(本当は)大きくて重いテーマの割りに、グダグダというか夢オチ並にえーっ?てなる結末でした。
 この監督はやっぱり「面白うてやがて悲しき」的な地に足の着いた物語の方が本領発揮できるような。まあ、だからこそそうじゃない方向性の作品を撮ってみたかったのかもしれないけれど。
☆☆☆