『ブラック・レイン−サウジ編−』みたいな映画だったすね。
「9.11以降に自覚的な作品」「ハリウッドのメジャー作品にしてはバランスの取れた世界観」、みたいな決まり文句が9.11以降に作られた(特にアクション)映画ではそれこそうんざりするほど繰り返されてきた訳ですが、この作品もそういうレビューのされ方をしているような気がします。でものんきにアメリカの正当性を訴える作品のほうが少数派のような気がするんだけど(少なくとも日本で公開されているものについては)。
アサルトライフルが取り回し上不利な屋内戦で、すかさずハンドガンにスチャっと切り替えて対応したり、敵方の銃器で残弾の不足を補ったり、みたいな燃える演出が随所に。「殺ったれ!!」という好戦的な本能に訴えかけ、かつカタルシスのある展開。実際これが盛り上がる。
単純にアクション映画として観れば傑作なんだけれど、やっぱり割り切れない気持ちにもなって。そういう戦争プロモ的な部分があまりにも上手いので、全体を相対化する意味で挿入されていると思しい結末のエピソードも、なんというかエクスキューズとしか思われなかったなあ。
☆☆☆1/2