最近、ジェイミー・フォックスにオスカーをもたらした『レイ』の前後を中心に、といってもいいけれど、実在の人物の伝記ものが流行っている(た)。注目が集まりやすい流行ネタというのは、過剰さが行き着くまで行き着くと弾けるバブル的なもの。存命の人物で一国の女王というセンセーショナルさから言ってもこれが頂点かつ最後の作品になるのではないだろうか。
ちなみに頂点といったのはインパクトの意味で、作品の質を指していったわけではない。実際の作品を見てみると、「ダイアナ葬儀顛末記」といった感じで、ものまね合戦に終始している印象だった。(マイケル・シーン演じるブレアは特に似ていて笑える。イラク問題のグダグダな対応で評価を落とした感じだけど、この映画では、やけにこの人だけ格好いい。)的外れな期待をしてしまったのが悪いのか、実はよく知らないエリザベス女王の半生をしっかり描いたものだったらもっと見ごたえがあったのに、というのが正直なところ。王室を描く(しかもかなり辛辣に)という根性は認めるけど、それ以上のものではなかった。演技もオスカーを獲るほどでは・・・
☆☆1/2